いずみタイム「川とわたしたち」 ~熊谷先生特別授業~
2019/10/25(Fri)
10月9日,下流探検でお世話になった熊谷佳二先生をお招きし,事後授業を行いました。
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干潟へ出掛けたときのことや,これまでの調査結果を基にして,一人一人が熊谷先生へ聞きたいことを整理して当日を迎えました。例えば,
・なぜ中流より干潟のほうが水がきれいなのか
・なぜ黒い水(泥)が出てくるのか
・震災で消失した干潟は,どのように復元されてきたのか
・埋め立てられそうなとき,なぜ反対をしたのか
・干潟を守るために一番大切なことは何か
歴史,環境,生物,そして人の関わり方など,とても鋭い「なぜ?」「どのように?」「何が?」が書かれています。

熊谷先生は,学生時代に干潟に魅了され,お仕事をされながら蒲生を守る会の活動を40年以上継続されています。
「人も,毎日気分が変わったりするように,川も毎日様子が変わるのです。」
一瞬一瞬も大切だけれど,見続けていくからこそ分かることもあるのだなぁ,というメッセージを感じます。

お話は生き物からスタートしました。
9月10日に行った調査の結果です。短い時間にもかかわらず,14種類もの生き物が見つかりました。干潟は水深が浅く,小さな生き物が安心して過ごすことができます。干潟で生まれて育っている生き物もいれば,海が荒れて逃げ込んできた生き物もいるそうです。

干潟にたくさん空いていた小さな穴。
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泥の中には6種類もの生き物が穴をほって生活しています。みんな同じ巣穴ではだめで,えさも少しずつ変えているそうです。ねん土や砂,泥・・・いろいろな砂があるから,いろいろな種類のかにが同じ干潟にすむことが出来ます。また,穴を掘ってえさをとらえる鳥(シギやチドリ)の仲間も,くちばしの形がそれぞれ異なっているそうです。
いろいろな種類の生き物がいる様子を「多様性」という言葉で表すことを教えていただきました。

2011年の東日本大震災をうけて,干潟の生き物は姿を消し,蒲生の街も甚大な被害を被りました。先生の言葉を借りれば,「死の干潟」だったそうです。
それでも,2ヶ月後に足を運んだ干潟には生き物がいて水が噴き出し,「干潟が呼吸を始めた」と喜んだそうです。人が手助けをし,年月を重ねて,今の干潟の姿があるそうです。

熊谷先生は,干潟だけでなく,七北田川本流の調査もされてきたそうです。
ダムや支流が流れ込むところは生活排水が入りやすく,汚れやすいことを折れ線グラフは示しています。緑が多く,水量が多いところは自然の浄化作用が働き,汚れが少ないことも分かったそうです。

干潟に足を踏み入れると感じる黒い泥と特有のにおい。そのにおいは,川からどんどん流れてくる有機物が分解されるときに出てくるにおいだそうです。
有機物は,栄養でもありますが,「水の汚れ」でもあります。ということは,干潟には,それをきれいにする仕組みがあるということ。アサリなどの二枚貝や1mmにも満たない微小な生き物が,それを担っているそうです。もし干潟がなくなると,水をきれいにする機能もなくなり,川の汚れが全て直接海へ注いでいくことになります。

子供たちも見た泉ヶ岳の水神の碑。実は下流にも水神の碑は残っていて,七北田川の水が大切にされてきた歴史を感じることができました。

仙台を豊かにしている仙台港。その建設段階では,蒲生干潟を全て埋め立てる計画があったそうです。
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蒲生を守る会が調査を通してその価値を発信し,市民の声を届けたことで,わずかながらも残すことができた蒲生干潟。

熊谷先生の書いた干潟の絵の中には「メニューの豊富な鳥たちのファミリーレストラン」の文字があります。
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生き物の多様性が保障され,つながりあって生きている姿は,熊谷先生や守る会のみなさんが取り戻そうとしている干潟の姿だそうです。

「生き物たちは,台風や津波など,自然のかく乱に対しては比較的強いです。しかし,工事など人為的なかく乱に対しては非常に弱い。干潟はもちろん,周りに自然が残されていることが大切なのです。」

下流探検直前の台風にも負けず,小さな生き物たちがいきいきと活動していた干潟を思い出します。長年干潟を見続けてきた方だからこそ,一言一言に重みを感じました。
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七北田川にはどんなよさがあるのか。七北田川を守るために自分達に何ができるのか。七北田川を守ることは何を守ることにつながるのか。

第Ⅰ期のまとめを子供たちと一緒に考えていきたいと思います。
熊谷先生,ありがとうございました。
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